ガンダムマーカーエアブラシシステムのレビュー的なやつ。
正直定価以上で買うもんじゃねえぞ
さて、キレイに吹き付けられるのであれば、文句も少ないのだが、肝心の仕上がりはある程度妥協することになるこの商品。
そういうもんだと思って使うのならまぁ、使えなくもない。
初期導入コストが安く、キレイに吹き付けるのが目的なら、正直イージーペインターのほうが良いとおもう。エアダスターをエア源にできるのはかなりのアドバンテージではある。
結局どれにしても、エア源をエア缶で・・・というのではどれもコストがかかる。
何をどうしようが、コンプレッサーを買う方が良いという判断にならざるを得ない。それは誰でも分かっていることなんだけども。
わかってるけど、ここを見ているお前らは安くきれいに塗る方法を探してるんだろう?
エアブラシシステムでまず感じたのは、とりあえず吹き付けする際の粒子の安定しなさ。
この写真のように綺麗なグラデーションができたのはかなり稀といっても過言ではない。
一度セッティングが出たらそのまま吹けるかというとそんな事はまずないというのがこのシステムのキツイところである。
専用フェルト芯でポンピングして、ベストな塗料が芯に有ったとしても、吹き付けている間にだんだんと吹付け量が減ってきて出なくなる。
そのたびポンピングして先端の液量をベストな状態にする必要があるわけだ。
ただ、専用フェルト芯は使用すると、ペン先は円錐なので、向きを気にすることもないし、長さも調節されており、ハンドピースにマーカーを挿す深さも奥まで挿せばベストになるようになっているっぽい。純正樹脂芯と比べてこれはかなり作業性が向上する。
メタリック系のマーカーは純正樹脂芯でないと使えない。
以前ダンボール戦機のマーカー塗りの動画で紹介したが、メタリック系マーカーの内容物はクリア塗料・銀色のメタリック粒子・溶剤で構成されているとした。
メタリックマーカーに専用フェルト芯を使うと、フェルト芯がフィルターになってしまいメタリック粒子を通さず、ただのクリアレッドが吹き出す。
専用フェルト芯もタダではないので、理由なく使わないこと。
ただし、純正樹脂芯での塗装では思ったよりいい感じであるし、マーカーや筆の広い範囲のメタリック塗装は粒子が絶対に揃わないため、どうあがいてもムラやマーブル模様ができてしまう。
そういった意味では、救世主になり得る塗装アイテムな気がしないでもない。
よく見たらゆず肌になっているようにみえるが、少なくともマーカー塗りよりは圧倒的に均一感があるのが見て取れると思う。
あくまで「こういうもの」という落とし所であればまずまず。
マーカーとエナメル墨入れの相性
これも以前の動画で、マーカーとエナメル溶剤の相性を動画にしておいたが、復習。
マーカー塗料のエナメル溶剤耐性は存外強力で、ゴシゴシしてもわりと綿棒やフィニッシュマスターに色が移ることは殆ど無い。正直ラッカー塗料より安心かも。ラッカー塗料って案外ゴシゴシしてると表面が荒れるのよね。
エアブラシシステムではどうしてもつや消しや半艶のフィニッシュになってしまうため、スミ入れがやりにくいかと思いきや、そのままでもまずまずうまくいく。
ただし、ガンダムホワイトなどに墨入れをしてしまうと、少し残ったスミが汚く見えると思うので、その部分だけマーカースミ入れなどでやるのもテかもしれない。
完全に拭き取るのは難しいが、濃い色味の場合は多少残っても気にならないという状態。
最終的にトップコートを吹きたい場合は一応水性トップコートを推しておきます。
ラッカーでも不可ではないと思いますが、砂吹きからしっかりちょっとずつやらないと危ないとおもわれ。これには慣れがいるので、水性推奨。
ただ、もともと艶消し、半ツヤで終わってると思うので、吹かないという手も。
トラブルシュート的なアレ
※ミストが粗いんだけど?正直、そういうものとしておいたほうが精神衛生上いいかもしれません。
エアの圧力を上げれば良いと言うもんでもなく、もちろん高めが良いとおもいますが、マーカーのペン先がじゃぶじゃぶになっていると思いっきり飛びます。
だからといって少なめにすると、乾燥しがち。ベストな状態を保つのが非常に難しいツールです。
※エア缶の圧力の上下が激しい!
昔からエア缶をエア源にする人たちの悩みのタネです。
気温が違っても変化するし、なにより作業してくると缶がどんどん冷たくなって圧力が落ちます。もちろん缶の残量でも大違いです。
そのため、ぬるま湯(40℃程度)を洗面器などに用意し、そこにエア缶を浸けて、温めることで圧力を確保します。熱湯につけると爆発の危険があるので絶対しないこと。
動画内で圧力の調整をシューと音がしてから一周としていますが、注釈を付けたとおり、状況が良好であれば、シューと音がしてから半周で十分な圧力が得られると思います。
※ボタンを押したらブシュッと出るのは?
エア缶とハンドピースを直接つなぐとそうなる宿命です。
コンプレッサーなどを使う場合はレギュレーターなどを使って調整できます。
※エア缶にまだエアが大量にあるはずなのに圧力がやたら低い
ハンドピースにゴミが詰まってるかも。
ハンドピースを説明書の図のようにばらして掃除しましょう。
ハンドピースのジョイント部分は中にバネが入っているので、紛失しないように取り出す。
バネが無くなるとエアが止まりません。
ジョイントには縦溝が掘ってあるので、ラジオペンチなんかがあれば簡単に弛められるでしょう。
説明書では描かれていませんが、ノズルも実はネジで留まってるだけで、外すことができます。
ただ、ノズルには回すための縦溝などはなく、指やレンチを使うこともできません。
ですので、ビンのフタを開けるやつとか、滑り止めのシートなどを使って回しましょう。
ノズルを外した状態でエアが勢い良く出れば問題があるのはノズル。
明るいところで穴を覗くと、キレイに丸い光が見えると思います。ゴミが詰まっていればキレイな丸い光は見えないはず。
ゴミが詰まっていた場合は、ノズルを逆向きにハンドピースにあてがって、エアを吹き付けるといいでしょう。
ただし、結構な圧力が出るので、ノズルがスッ飛んでいかないように気をつけて。
ノズルの先端は精密なものですので、針金を通すなどは極力避けるべきです。縫い針を挿すとかやめろ。挿すのであればノズルより細いものを用意しましょう。
*エア漏れしてる・・・
ワイに起こった事例です。
エア缶のバルブを締め込むとそこからエア漏れする場合は何らかの異常がありますので、引っこ抜いてチェックするか、クレオスにクレームを通してみてください。
ワイの事例ではバルブの先端に接着剤様の琥珀色の付着物があり、まともにパッキンが機能していない状態でした。
あまり無いことだとは思いますが、たまにはそういうモンにもあたるでしょう。
私としては、プロスプレーやバジャーなどの缶式エア源を何度も触っているので、どんな仕事をするのか知っていましたが、正常な状態を知っていなければもしかしたら・・・
とりあえず、拭けるだけ拭き取り、爪でこそぎ落としたら普通に使えました。
多分ここでこそぎ落としたカスが上のノズルを詰まらせたゴミだと思います。
その他ホースの劣化やパッキンの劣化の場合はパーツ交換してください。
新品で、ハンドピースのボタンを押した時以外でシューっと漏れる事はありません。
もしも漏れているのであれば、クレーム対応したほうが良いでしょう。
※このセットでどれだけ塗れる?マーカー一本でどれだけ塗れる?
知るか!
パーツ数や面積で大違いです。
このセットでちょっと困る部分として、マーカー塗料の残量が全く分からないというところ。
真っ黒のマーカー本体のため、どれだけ中に入ってるかわかりませんし、手で重量を感じられるほど差があるものでもありません。
※フェルト芯の再利用は・・・
まさかそのようなコメが来るとは思わなかった。芯の中の塗料をきれいに抜く事はできません。
ー=ー=ー=ー=ー=ー=ー=ー=ー=ー
そんなわけで、レビューとトラブルシューティングでした。
ガンダムマーカーエアブラシステムは、マーカー塗りメインのライトユーザーにちょっと嬉しいアイテムかも知れません。
ホビーショーなどで先行公開されたときなどのも盛り上がりもそれを感じさせます。
ただ、あの時多くのツイートされた写真をよく見てみると、ほぼすべて、ミストが粗いものがテストピースに吹き付けられていましたね。
そして、説明書やパッケージの作例にしてもどえらいブツブツの飛沫が飛んでいます。
それはまさに、たいていそうなるのであって、あくまでそういうものと理解すれば、使えなくもない商品です。
普段エアブラシを使っている私達が、「正気か?」と思うようなものでもアリになってしまうかも?
個人的にはさっさとコンプレッサーとエアブラシを買えよ!って思うわけですが、それなりの出費になるのも事実
安いノーブランドは当たり外れがある。正直初心者にはまずまともに吹けるものを持ってほしいので、エアテックスやクレオスやタミヤやイワタなどなど、有名所の保証がついたものを手にとってもらいたい。
・・・けど、またこれが高いわけで・・・
私としては中華コンプレッサーセットでも、エア源としては普通に使えるし、高儀(タカギ)やtoolsisland(ツールズアイランド)の取り扱うノーブランドコンプレッサーセットも結構世話になってたりします。ハンドピースだけメーカーのまともなやつを使うのもあり。私はイワタのふるーいやつをまだ使ってます。
正直Amazonでエアテックスのメテオセット。全然アリだと思います。こういうので模型用塗料が大抵使えるんやで。
ガンプラ本体を積むのに金が無いわけねーだろ!てなもんです。
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